不活性ガス消火設備の放出事故発生について
更新日:2020年12月25日
2020年12月22日(火)に、愛知県名古屋市内の立体駐車場で、二酸化炭素を消火剤とする不活性ガス消火設備が誤放出により放出され、死者1名、負傷者10名を出す事故が発生しました。
このような事故を繰り返さないよう、ガス系消火設備を設置している建物の「関係者」、「工事事業者」、「点検・整備事業者」の皆さまにおかれましては、以下の項目についてご留意ください。

ガス系消火設備の構造等イメージ
不活性ガス消火設備(二酸化炭素消火設備)の特長
- 不活性ガス消火設備は、全域又は局所放出方式があり、一般的に水による消火が適さない「駐車場」、「電気室」、「ボイラー室」、「通信機器室」、「危険物施設」などに設置されています。
- 不活性ガス消火設備は、音響警報装置や手動起動装置、放出表示灯などで構成され、区画された部屋の扉などには設備が設置されている旨の表示があります。
- 区画された部屋に消火剤を噴射し、酸素濃度を下げて消火する設備となります。
- 区画された部屋とは別の場所に、消火剤を貯蔵した部屋があります。
- 手動起動装置の操作箱の扉を開けると、音響警報装置が作動し、放出スイッチを押すことにより、あらかじめ設定した時間の経過後、消火剤が放出され、停止スイッチを押すことにより解除されます。
不活性ガス消火設備の留意事項
- 火災の場合以外には、手動起動装置に触れないでください。
- 誤って、手動起動装置の操作扉を開けることで音響警報装置が作動した場合でも、扉を閉めることにより音響警報装置は停止することができます。
- 消火剤が噴出される旨の音響警報装置が作動した場合は、直ちに、区画された部屋の外へ退避してください。
- 消火剤が噴出される旨の音響警報装置が作動した場合に、その区画された部屋内や周辺に利用者などがいないか確認し、近寄らないよう周知してください。
- 誤って、手動起動装置の放出スイッチを押した場合でも、あらかじめ設定した時間内であれば、停止スイッチを押すことで消火剤の放出を停止することができます。
「あらかじめ設定した時間」は、消火剤の種類や規模などにより変動しますので、詳細は仕様書や設置した業者にご確認ください。 - 不活性ガス消火設備に何らかの異常を確認した場合は、点検業者などに速やかに連絡してください。
- 設備点検や工事などを行う場合は、その旨をあらかじめ建物関係者や利用者などに周知してください。