衣服に炎が 着衣着火にご用心
更新日:2019年6月4日
『衣服に炎が 着衣着火にご用心』
火災により死傷者が発生する要因の一つに「着衣着火」があります。
着衣着火とは
ガスコンロの火やお仏壇のろうそくの火などが、着ている服について燃え上がる現象を「着衣着火」と言います。
綿、レーヨン、植物性繊維、パイル地などの生地からなる衣類は、表面の起毛や毛羽立ちにより、生地が空気を含み燃えやすい状況となっています。
いったん着火すると、すぐに燃え広がることでやけどになる可能性が高くなり、最悪の場合、全身のおおやけどにより死に至るケースもあります。
また、着火した衣服の炎が住宅内の燃えやすいものに移り、住宅が全焼してしまう場合もあります。
平成29年中の全国における住宅火災の死者数は889人(放火自殺等を除く。)となっています。
着火物別で分類すると、寝具類が133人(15%)、次いで衣類が67人(7.5%)となっており、着衣着火の危険性が判ります。
着衣着火は、ちょっとした不注意で誰にでも起こりうる可能性がありますが、高齢者の割合が著しく高くなっています。
着衣着火を防ぐために
以下の点を参考に、ご注意ください。
- 袖口や裾が広がった服で火を取り扱わない
- ガスコンロの奥に調味料などを置かない
- 火をつけたまま、火越しの作業を行わない
- お仏壇のお供え物に手を伸ばす際に注意する
- エプロンやアームカバーは燃えにくい防炎製品を使用する
- 高齢者や子どもには、燃えにくい防炎製品の着用を検討する
- 調理器具購入の際に、電気式の調理器を検討する
- 電気式、コンセント式のローソクやお線香を使用する
- 身体機能が衰える高齢者や注意力に欠ける子どもに対して、周りの人も十分に気を付ける
着衣着火の際の対処法
衣服に火がついた場合、慌てず、水道の水、浴槽の水、飲み物など近くにある水をかけてください。
近くに水がない場合、以下の方法で対処してください。
ストップ(止まって)
衣服についた火の勢いを大きくさせないために、走らず、その場に止まってください。
ドロップ(倒れて)
地面に倒れこみ、燃えているところを地面に押し付けるように、体と地面をくっつけます。
体と地面の間にできるだけ隙間が残らないようにしてください。
ロール(転がって)
地面に倒れたまま左右に転がることで、衣服についた火を窒息消火させます。
転がるときは、顔を両手で覆い、顔へのやけどを防ぎましょう。
その他
着衣着火の注意喚起などが以下のページから確認できます。
- 独立行政法人国民生活センター
服が燃えて大やけど!知られざる危険「着衣着火」(外部リンク)
危険!着衣着火に注意-未然防止には防炎製品が効果的-(外部リンク) - 独立行政法人製品評価技術基盤機構
ガスコンロ事故に注意(外部リンク)
着衣着火再現映像(外部リンク)
着衣着火事故の防止について(注意喚起)(外部リンク) - 消費者庁
高齢者のやけどにご注意ください!(外部リンク)